12/9(土)例会報告

この日は、難波先生によるカナダ、トロント大での教員養成について発表がありました。内容については、難波先生の資料ができあがり次第、こちらに掲載させていただこうと思います。
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# by bamusenokai | 2006-12-10 18:19 | これまでの例会報告

例会のお知らせ : 11/25→12/9(土)に変更になりました

以下でお知らせした次回の例会が

11/25→12/9(土)に変更になりました。
時間は12:30からになりました。

急な変更で申し訳ありませんが、
たくさんのみなさんの参加をお待ちしております。

◯◯◯ 例会のおしらせです。◯◯◯

次回バムセの会は、
難波先生が長期のカナダ視察で不在のため、
夏・秋が終わり冬が来る11月に12月に行います。
また、会場は、岐阜の「えほんのいえバムセ」です。

次回
日時:    12/9(土) 12:30〜
場所:    えほんのいえバムセ
内容:    学会報告、カナダ基調報告

※  昼食は、持って来て食べていただいてもOKです。
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# by bamusenokai | 2006-06-07 01:43 | 例会のお知らせ

6/3(土)例会報告

6/3(土)の例会は、参加者が非常に少なかったので、
これからの会へのうちあわせなどをしました。

次回例会では、多くのみなさんの参加をお待ちしています。
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# by bamusenokai | 2006-06-07 01:27 | これまでの例会報告

6/3(土)例会のお知らせ

◯◯◯ 6/3(土) 例会のおしらせです。◯◯◯

前回(3/4)と同じ会場で行います。
(「えほんのいえバムセ」ではないので、ご注意下さい)
出欠のご連絡をいただいた時に、場所と行き方をお知らせします。
VYG07764アットnifty.ne.jp  (今井さん)
(アットを@に変えて下さい)

中部例会(6/3・土曜 13:30〜16:30 星ヶ丘・淑徳大)
の後、名古屋の今井さんご自宅に移動して、バムセの会をします。

時間は17時半〜20時ぐらいまで。
軽くなにかをつまみながら話をする感じです。
内容は、中部例会のふりかえり、岩手学会の報告
などを予定しています。

出欠のお知らせを上のメールアドレスにお願いします。
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# by bamusenokai | 2006-05-24 03:23 | 例会のお知らせ

2006年3月4日の例会報告・後編


(2) 鈴木美佐先生による、国際理解教育の実践、ドラムサークルの実践の報告

●国際理解教育の実践
以下の3つの実践を行った。

① ニュースでトリップ
ニュースについて発表する活動に、難波先生がカナダで見た、ニュースを紹介する時に地図で国名を探させるという方法を取り入れた。知らない国名が出て来たときに、はじめはあてずっぽうに探していた児童だったが、記事の中にヒントを見つけるよう問いかけると、ニュースで聞いた→こういうニュースで出て来ていた→この辺り?と仲間も加わって見当をつけながら探しだし、だんだん国名に近づいていった。また、後日、その国名がニュースでやっていたと児童が報告に来て、世界の国に興味を持っている事がうかがえた。

② ALTによる英語の授業
昨年度から来ているALTの先生を授業以外にも学級に招いて交流する機会を多く持つようにした。特に豆まきでは、子どもたちがALTの先生にやり方を教える姿が見られた。両方が真剣で、意思が通じた時の笑顔が印象的だった。

③ 愛・地球博でのオーストラリア館訪問にあたり、同館より絵本画家ロン・ブルックス氏のレクチャーに招待するとの申し出があった。原画をさわらせてもらったり、ブルックス氏の読み聞かせもあった。児童の感想では、「ブルックスさんがオーストラリアの言葉でしゃべっていても気持ちがわかりました。なぜかというと、強くしゃべっているところと弱くしゃべっているところがあったからです。」とあった。
これらの実践を通して、子どもたちが世界の国々に対する興味を持てたと感じた。

●ドラムサークルの実践
◯ドラムサークルとは
子どもが一人一つの打楽器(主に、プラスチックでできた壊れにくい小さな専用のドラム・他にはカスタネットやタンバリンも利用)を持って輪(サークル)になり、中央のファシリテーター(ドラムサークルの中に入ってリズムを導き出す役割の人)の導きに合わせ、周りの子どもたちの音を聞きながらリズム・アンサンブルを楽しむ活動。ファシリテーターの指示によって音がまとまり、単なる音が演奏に変わり、参加者は一体感を感じられる。コミュニケーション能力の向上や、ストレスの発散、集中力の向上、音楽の基本的なスキルアップが期待されている。

◯鈴木先生のドラムサークルの実践
6年生の学級で、感性をはぐくむ音楽活動の一環としてドラムサークルの活動を行った。ファシリテーターの腕や体の動きを見ていないといけないので、子どもたちは集中した。しかし、それだけでは無かった。担任がファシリテーターをする姿を見て、「やりたい」と申し出る子がでてきた。子どもに任せてみると、自分の腕の動きに合わせてみんなの音が大きくなったり小さくなったりするので楽しく感じられるようだ。活動を続けていくと、子どもたちは楽器を演奏する事を自分たちの中で大切なものと思う様になり、音楽集会でカスタネットを回収したとき、「もう一度だけ」と演奏したり、楽器にキスしたりする姿はとても印象的だった。

ドラムサークルだけでなく、様々な音楽活動を通じて音楽の表現方法を教え、子どもたち自身にその表現方法や言葉を使って実践していく事は表現力を高めた。実践が子ども達が喜びを感じるほどのものであれば、子どもたちの意欲も増し、自信とともにいっそう表現力が高まる事も分かった。
____________________

他、牧恵子先生にオーストリアの教育制度と教室環境についてのお話をしていただきました。
◯オーストリアでは、6歳から10歳までは「国民学校」で初等教育を行い、この4年間の基礎教育機関を終えた時点で、大学コースのギムナジウムか、職業訓練コースかのいずれかの選択を強いられる教育制度となっている。学歴社会ではないので、日本のように「大学には入ったけど、何をしたらいいんだろう?」と戸惑う学生は少ない一方、コースの選択後は軌道修正がしにくいという難点もある。また職業訓練校で荒れた子どもは、すごく荒れてしまうなど、牧先生が実際に御覧になったウイーンの学校の様子を交えて色々と教えていただきました。
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# by bamusenokai | 2006-03-21 16:23 | これまでの例会報告

2006年3月4日の例会報告・前編

3月4日の例会報告です。
この日は日本児童文学学会の中部例会に参加し、その後場所を移して、夕食をとりながらの和やかな雰囲気の中勉強会が行われました。多くの方が参加されました。

今回は2つ発表がありました。
(1)難波先生による、「カナダ・オンタリオ州の教員養成システム」について
(2)鈴木美佐先生による、国際理解教育の実践、ドラムサークルの実践の報告

今日は(1)の内容報告をします。(2)については近日アップします。

内容
(1) カナダの教員養成システムとその実際 
   オンタリオ州トロント大学と附属学校(ICS)の実例から

トロント大学に教育学部はない!
教師になろうと思ったら、基本的には大学を出てから!!
しかも、大学の成績が優秀で、かつ、教育経験(ボランティアでもいい)がある人でないと入学できないということ。そういうこともあってか、トロント大学には教育学部はなく、あるのは、修士・博士のための大学院である、OISEだけ。そしてこのOISEが、教員養成のプログラムを、正規の大学院の授業とは別に用意している。

教師になるためにはふつう1年コースを取るし、こちらの取得者はとても多い。
トロント大学では大きく二つのコースが教員養成のためにある
一つのコースは、1年間学んで実習に行くコース。
1年コース
Bachelor of Education Program
☆ 教育学士がとれるコース(以下の3つのコースに分かれる)
• 初等教育コース  (幼稚園〜6年生)
• 初〜中等教育コース(4年生〜10年生)
• 中等教育コース  (7年生〜12年生)
この分け方、現場の感覚と合っている。そしてすこしずつ、重なっている事がポイント。現実の子どもは、同じ年でも発達段階は前後しているので、このような「のりしろ」が有効なのではないだろうか。

もう一つのコースは、2年間通うコース。(M.A.とM.T.のコースがある)
2年コースA
Master of Arts in Child Study and Education Program
・教員資格と教育専門修士(M.A.)がとれる
・博士課程に進学できる
・乳児から6年生までの子ども対象
・実習が長い 1年目は6週間の実習×4回、2年目は3ヶ月半のインターン
    
2年コースB
Master of Teaching in Elementary and Intermediate Education
• 教員資格と教職修士(M.T.)がとれる
• 博士課程には進学できない
• 初等教育か初・中等教育を選ぶ
実習は1年目40日以上、2年目40日以上
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# by bamusenokai | 2006-03-12 11:29 | これまでの例会報告

3/4(土)例会のお知らせ

◯◯◯ 3/4(土) 例会のおしらせです。◯◯◯

今回は、日本児童文化学会中部支部3月例会に参加して、
その後場所を移して、勉強会(バムセの会)をします。

※いつもと違う会場で行います
※勉強会からの参加でも結構です。

勉強会のあと、夕食会をします。

会場がいつもと変わる事と、夕食の段取りなどがありますので、

※今回はできるだけ出欠をご連絡くださいますよう、
お願い致します。

※ご連絡をいただいた際に、
場所などの詳しい説明をさせていただきます。

連絡先: VYG07764アットnifty.ne.jp (今井さん)
(アットを@に変えて下さい)

◯◯◯ 3月4日(土) の流れ ◯◯◯

◯13:40〜16:30 日本児童文学学会中部支部例会
会場: 中京大学名古屋キャンパスセンタービル
0号館6階 0603教室

◯学会終了後、参加された方で一緒に移動
6:45、勉強会からの参加の方と、鶴舞線「塩釜口」で合流
今回の勉強会の会場となる、名古屋市八事の今井さん宅に移動

◯7:00〜 八事の今井さん宅にて、勉強会(バムセの会)
   
バムセの会・内容
1・難波先生のカナダ報告 
カナダの小学校の授業や教育体制、教員養成について、
詳しくお伝えします。

2・鈴木美佐さんの研究報告
「親しみをもって国際社会を生きる子の育成を目指して」
一昨年の難波先生のカナダ報告を受けて、
鈴木美佐さんが実践した内容の報告です。

3・再版「ちびくろ・さんぼ」について討論

4・年度末の会計報告と反省・今後の方針について

みなさんの出欠のご連絡、お待ちしています。
よろしければぜひご参加ください。
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# by bamusenokai | 2006-02-11 15:24 | 例会のお知らせ

旧HPの記事を移植しました

旧バムセの会HPでの報告がこちらで読めるようになりました。
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# by bamusenokai | 2006-02-10 21:00 | 更新情報

2005年12月10日の例会報告

12月10日の例会報告です。

(1)難波先生の「カナダ・ICS」報告
(2)鈴木美佐先生の発表
この2つについては、参加人数が少なかったため、次回以降また改めての発表という事になりました。
(3)今井さんからは、今の絵本事情と、「ちびくろさんぼ」についてのお話をじっくり伺い、話し合いました。今後もこの問題をとりあげるとの事です。
以下、まとめです。(「さんぼ」は絵本「ちびくろさんぼ」の略)

テーマ
・現在の絵本事情
・さんぼの絶版・復刊の経緯を通じて見えてくる事は何か
・さんぼの問題の知識は、なぜ広がらないか?軽視されるのか

内容

◯消え行く文化
今、世の中が軽く流れている気がする。自分が思う以上に、世間の人は絵本に対する意識が無い。年齢層が変わる時、そこで絵本や児童文化が、文化として継
承されていない。絵本読者の世界でも、階級格差が生じている。


◯「お父さんのための絵本講座」で講師をしたときのこと
お父さん達は絵本作家の名前だけでなく、子どもの好きな本、家にある絵本など、何も知らなかった。講座に来たお父さん達は、30歳前後。彼らはどんな世
代か?

 ・日本の読書運動がおさまって、親が読書読書!と言わなくなった
 ・ゲームが出始め、ゲームボーイ登場。アニメ・マンガが浸透
 ・アニメの「まんが日本昔ばなし」で、昔話を知っている
 ・学校での読み聞かせ以前の世代

彼らは、学校でも、家でもあまり絵本に接していない世代。しかしアニメで昔話は知っていて、昔話は誰でも知ってると思ってしまうせいか、昔話をわざわざ
子どもに読む、という事をしない。→彼らの子どもが昔話を知る機会が無い状態。


◯アニメ「まんが日本昔ばなし」頼りの文化継承
「まんが日本昔ばなし」の前と後で「昔話の文化」が断絶している現状が浮かび上がる。「まんが日本昔ばなし」終了後の世代は、家に絵本が無くても、学校
では絵本を読んでもらっている。しかし、アニメ「まんが日本昔ばなし」が無いためなのか、昔話はあまり知らない!

→読書運動よりも影響力があった、「アニメの力」が浮き彫りになる。
放送当時は批判されていたものに、頼らなくてはいけない、この皮肉さ。


◯「あらしのよるに」を通して見る、作家と出版社の姿勢
初版が出た時、こういう手法で絵本を作るのか?と驚いた。絵本の歴史の中で転機になる位いい絵本だった。読み聞かせ運動が高まる時期とも重なり、子ども
の反応の良さから、読み聞かせをする大人達が手放せない本になる。→大判も出る。しかし3巻以降、どうも、おかしい。

2004年、新聞紙上で大江健三郎が意見を出し、批判をした。
→その後作者は6巻を出してそれで終わりと言っていた。にもかかわらず7巻を出し、しかも、死んだはずのキャラクターが生き返っている。裏話も出版して
いる。
→絵本作家は、節操が無いものなのか?


◯絵本の良し悪しを見る力
良いものであろうがなかろうが、いろんな人が、野放しで子どものものを作っている。「いいものを作る人を育てる」という環境も無い。
そして、人々の中に、「自分で見て、本当にこの本はどうか?」と価値判断をする姿勢が無い。根拠が無くても、メディアなどの評判が価値を決めてしまう。
絵本に限らず、良し悪しを見る力が落ちている→前はあったのか?

→以前は、出版する側に、良し悪しを見る力があった。

以前は出版社が作家を育てていた。今はもう出版社は作家を育てていない。
逆に、独自の応募などで、即戦力で売り上げに繋がる作家を捜し、既に出来上がった人材に出版社が乗っかる。→出版社がリスクを取らない。経営も苦しい。


◯今の絵本作家達
→センスのいい絵を描く力はついている。しかし、文章に物語り力が無い。(難波:それは教育の問題。)
文章の魅力に欠ける新刊ばかり続くと、飽きられる。絵も文章も良いものが欲しくなる。→そこで、復刊ブーム。しかし、リバイバルのソースを使い果たした
後は、次が無い。これが問題。次を育てる体力が、企業にも無い。


◯さんぼを通して見る、日本の文化享受のありよう
難波:さんぼは、「絶版」という「事件」がなければ、そのまま消えて行く本だった。騒動が「さんぼ」の命を長らえさせたのなら、日本の文化享受とは何な
のか?さまざまな「運動」や、メディアに依存している現状。日本人にとって文化とは何なのか?どんな存在なのか?

→さんぼがどういう筋道をたどったかという知識が伝わらないのは何故?
難波:児童文学が、教育の中に無いから。子どものために児童文化を守る役割を、どこも担っていない。様々な意見も、野放しになってしまう。教育の中に、
児童文学が組み込まれていない。サイクルの中に無い。例えば、古典は教育の中に組み込まれ、伝承のサイクルの中にある。

文化の伝承のサイクルが切れてしまうという事は、各所で起こっている
音楽科でも、ポップミュージックが入った事により古い歌が教科書から消えると、サイクルが切れてしまう。
→教育による伝承がなければ、良いものは消えてしまう。
→自然には、良いものは残らない
今はこれが、放置されているのが問題ではないだろうか。

以上です。
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# by bamusenokai | 2006-01-06 23:44 | これまでの例会報告

2005年 6月19日(日)の例会報告

6月19日(日)の例会報告です。

今回の発表は2点です。
1 「「当事者」とは誰のことなのか?-島根スタタリングフォーラムに参加して-」広島大学大学院院生の原田大介さん
2 「絵本の読み聞かせ活動内容」 バムセ店主の今井さん


■「「当事者」とは誰のことなのか?-島根スタタリングフォーラムに参加して-」広島大学大学院院生の原田大介さん

 原田さんの発表は、自己と他者の痛みにセンシティブでありつつ、アカデミックで中味の濃い発表でした。ご参加できなかった方々にも、ぜひ生で聞いていただきたかった発表です。

 吃音者である原田さん自身が吃音について発表することの意義を、あの場で体感しました。

 さらに「当事者」についての論考は、これまでの「当事者」論から一歩すすみ、吃音だけにはとどまらない社会のさまざまな差別や諸問題に切り込んでいくための新たな知の可能性を感じます。

 以下、発表のまとめです。

* * * * * * * *

1.吃音はほぼ確実に治らない(『知っていますか?どもりと向きあう一問一答』解放出版社)

2.しかし、吃音を「治す」民間矯正所に数十万を費やす吃音者は多い。

3.吃音の問題は、単に吃音の症状それ自体というよりは、水面下にある恥ずかしさや劣等感、不安である。
  さらにいえば、私の吃音の症状、聞き手の吃音に対する反応、私の吃音に対する私の思い込みの3つの軸との関係で「生きづらさ」の度合いが変わる。

4.原田さんは島根スタタリング(=吃音)フォーラムに参加する。ここでは子どもたちで吃音についての話し合いを行う。吃音者も非吃音者も話し合いに必要であると気づく。

5.このフォーラムを通して、「当事者」と「当事者性」について考える。
  「ことばがつっかえたり、ことばが出にくい者」を「吃音の当事者」にさせているのは、吃音を抱えてない者(健常者)」である。だとすると、「吃音の非当事者」ということばは、誰にもあてはまらない。
  「当事者」ということばを無批判に用いると、「非当事者」という存在を暗に認めかねない。
   今求められているのは、「当事者」についての丁寧な議論と、その理解である。

6.島根スタタリングフォーラムの構図を整理する。
  マクロ 吃音者 or 非吃音者
  メゾ  子ども(吃音の子ども)or 母親(吃音の大人)or 囚人(吃音ではない兄弟、母親、友人、教師、ST、その他)
  ミクロ 動的な存在としての「私」←子ども、母親、囚人になりうる。

7.当事者性
  「当事者」とは、「迷い、揺れ動くままに、感じる痛みから逃げずに、少しでもことばにしようと試みる者」、「当事者性を引き受けようとする者」
  「当事者性」とは、マクロ、メゾ、ミクロで示した当事者のありかたすべてを含んだ総体である。

8.気づいていない者たちに知ろうとする姿勢や態度を培うために、国語教育(ことばの教育)という制度的な場の可能性がある。
  最も避けなければならないことは、「無知であること」。「無知であること」を通して「人を傷つけていることにすら気づくことができていない言動や身振りをしている私」にある。

* * * * * * * *

 アカデミックの世界では原田さんのような問題意識をもたれる方は少数派といえますが、だからこそご活躍をお祈りします。
 この発表後も「当事者」についての論考をさらにすすめられたとのことで、今後の展開も楽しみです。

■絵本の読み聞かせ活動内容 バムセ店主の今井さん

 今井さんは各地で読み聞かせを行っています。今度、初めて読み聞かせをする小学5年生のクラスで『ライオンのしごと』を読もうかどうか迷っているということで、みんなの前で読み聞かせをしてくれました。参加者の先生方から、一番の最初の絵本としては難しいのでは、担任の先生でないと絵本を読み聞かせしたあとのフォローができずに危険ではないか、などの意見が出ました。
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# by bamusenokai | 2005-07-10 23:30 | これまでの例会報告

2005年 4月16日の例会報告

4月16日の例会報告です。

 今回のバムセは、今井さんのお話をたっぷり聞きました。
そして、今井さんのすべてのお話の基調は、「いかに当事者が尊重されていないか」ということです。

・復刊ブーム
瑞雲社から「ちびくろさんぼ」がまた「スモールさん」シリーズがカラーで復刊されたように、児童文学の世界では昔の作品の復刊がブームになっています。そこには、当事者である子どもをおきざりにして、大人のノスタルジーだけが働いていると今井さんは指摘します。

・読み聞かせにおける大人の役割
今井さんは乳幼児の読み聞かせ活動をしているのですが、最近小学校でもおこなったそうです。そこの経験で、ボランティアの人が読み聞かせをしているときに、教師が何をしているかで、その読み聞かせの成否が決まるといいます。それは、他の場合もそうで、読み聞かせとは単に読み聞かせる大人と子どもの問題だけでなく、それをとりまく大人の問題でもあるのです。
なお、「読み聞かせ」「語り聞かせ」「読み語り」などの術語の話題もここで出てきました。

・選書の問題
平凡社の「この絵本が好き」には子どもの視点がない、と今井さんは指摘しました。ここに載っている本は、「いい本」だけど、「子どもに読み聞かせたい本」とは違うというのです。
そのことを今井さんは具体的な本で話されました。
「悲しい本」(「この絵本が好き」3位)は子どもを失った大人の本でいい本ですが、子どもとは読めないですよね。
反対に、長新太さんの「ちへいせんのみえところ」はこのようなブックリストには出てこないのですが、子どもは大好きな本です。
一般的に、ナンセンス(と大人が考える)絵本は、子どもが好きな一方で大人はあまり選びたがりません。

・アンソニー・ブラウンのすごさ
ところがアンソニー・ブラウンは、大人向けにも子ども向けにも書ける、希有の作家だと今井さんは指摘します。
「すきですゴリラ」のような中高生向けの本、「ウィリーの絵」のような子どもへの美術作品の誘いの、パロディー本、「こうえんで4つのお話」のような大人向けの本などなどです。

その他、今回のバムセで今井さんが勧めた絵本は以下の通りです。
「ぎゅっ」
「頭につまった石ころが」
「セクター7」
「かようびのよる」
「ぶーちゃんとおにいちゃん」
「おばあちゃんの時計」
「あっ おちてくる ふってくる」
「おんぶはこりごり」
「海賊日誌」
「中世の絵日誌」

あとは、障害者を支えるNPOの立ち上げの話から、当事者性の問題が話題となり、上野千鶴子『当事者主権』という本を読むことで勉強することになりました。
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# by bamusenokai | 2005-04-18 21:04 | これまでの例会報告

2005年 3月5日 日本児童文学学会中部例会の報告

3月5日の日本児童文学学会中部例会の報告です。

(1)「国語科授業を文学から解放しよう、あるいは、文学を国語科授業から解放しよう」 広島大学の難波先生が発表されました。

先生は、旧学習指導要領で使われる「正しく読み取る」という言葉を問題視しています。
この「取る」とは何を「取る」のか。
「正しく」読み取るとは、すなわち、教師が「答え」を用意することに他ならない。

センター試験を頂点として、試験における文学の心情の読み取りの比重は大きい。この現実の中で、多くの教師は文学の楽しさをわかちあう授業をめざしつつ、国語の文学教材の授業で「人物の心情が正しく読みとれる学力」もつけようとしてきたが、それはしんどいことである。

文学教材の授業では、「試験」で問われる「学力」と、「絶対評価」の困難さから、「人物の心情」を「読みとる」ことが授業の主要部分になっている。

難波先生は、国語科を国語科だけの領域にとどまらず、解体・再構築することを提案する。
コミュニケーション領域、表出領域、思考領域、イメージ領域、思想領域、メディア領域の6つの領域である。詳しくは「国語科解体/再構築」HPと冊子「コクゴ」(国語科解体/再構築研究会発行)で展開しています。

(2)「文学を読む上においての基本的な考え方」 名古屋児童言語研究会の加藤昇先生が発表されました。

児童言語研究会(児言研)では、「ことば」を通達の手段としてだけではなく、感情・思考・認識を深めるものとしてとらえています。
また、加藤先生は、こどもは、交流の中で思考を訂正し、深め、他者と自己を認識していくととらえています。

加藤先生はクラスの中で発覚したいじめ事件とその後で行われた「ロシアパン」の授業とをからめながら教育実践を発表されました。

いじめの発覚から4日間できちんと子どもたちとお母さんに対応された加藤先生の対応にすごい、と思いました。自分たちの行動を振り返り謝るとともに、いやだと思った点を相手に伝えた体験を通じて、授業の作品の感想の中で、表面的ではない心からの言葉が子どもたちから出てきたのだと思います。

(3)「本の世界を広げよう」 名古屋市立小学校教員の幾本幸代先生が発表されました。

幾本先生は、子どもたちの本のある生活をと願って、国語科の授業、評価を超えて、日々実践されています。
6年生でも楽しい絵本を選んで読むと、喜ぶ。毎週木曜日の朝の読書タイムや、ブックトークや、物語の読み聞かせ、本の紹介、アニマシオン、1年生に対して1対1のペアで絵本の読み聞かせを行う。

(4)「読書支援と日本語運用能力教育の2系列化」 愛知教育大学非常勤講師の牧恵子先生が発表されました。

牧先生は以下の2点を提言されました。
1.国語科教育のなかで、「読書支援」と「書く・聞く・話す」活動を自覚的に区別することが重要。
2.言語運用能力の点からも、アウトラインをつかみ短くまとめる方法を提案したい。

牧先生は実際に大学生に再話法の教育実践をされています。
児童文学作品を書きかえ、音声化し、CDにして発表させる。
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# by bamusenokai | 2005-03-13 22:42 | いろいろ

2005年2月5日の例会の報告

2月5日の例会の報告です。

今回は(1)難波先生の長崎佐世保市事件の報告、(2)難波先生の日本児童文学学会中部例会の基調報告に向けての発表、(3)今井さんの保育園での読み聞かせの発表でした。


(1)長崎・佐世保市事件の報告(難波先生)

難波先生は長崎・佐世保市事件について各地で講演をされました。実際に長崎の現地での取材調査もして、現時点でのまとめを報告されました。

長崎・佐世保市事件を追っていくと色々な背景が浮かび上がりました。

地形的、地域的、教育的な特殊性・閉鎖性が浮かび上がり、加害児は囲まれていたんだぁと思いました。

長崎の教育は非常に特殊性があった。長崎ゴ校だけの総合選抜という実態があった。
また、加害児の住まいは山の上。とても急な山道で加害児は一旦帰宅すると山の下の市街地の友だちと遊べなかった。

1.加害児の父親が自宅療養をしており、仕事でPCを使用。加害児にPCを教えていた。

2.加害児の父親は教育熱心であった。家庭訪問の際には必ず同席。

3.加害児は公立中学入試受験をめざしていた。公立の中高一貫でかつ併設校。加害児の成績はトップ。しかし、被害児が北九州市から転校してからは被害児がトップになる。加害児は成績が下がった場合バスケをやめるように父親から言われていた。ところが相対評価では成績が下がっていないが絶対評価で成績が下がり、バスケをやめさせられた。絶対評価が下がったのは、担任教師との相性が悪かったのが要因。加害児は成績を下げないでと担任に言いにいったが、実際には絶対評価を下げられた。

4.バスケをやめさせられ、荒れていた加害児を受け入れようと、別の女性の先生が担任を希望したが、この学校長(女性)が「6年生の担任は男性」という理由で却下。相性の合わない担任のまま、加害児は6年生になった。

5.PTA会議で会長選挙で新住民(山の下)と旧住民(山の上)とで揉めていた。

6.加害児のHPには女の子っぽいフリフリのかわいい服のアバターがついていた。しかし加害児の普段の格好はボーイッシュ(ブランド)だった。これはどういう意味があったのか?

7.加害児のHPには韓国詩が取り上げられていた。生命力のある韓国詩。これも何の意味があるのか。

8.加害児はHPでポイント稼ぎをしていた。ここで、ネットの世界に詳しい近藤さんがアバターにまつわる話を盛りだくさんにしてくれました。お金のない小学生にとってHPでポイント稼ぎするのはとても大きいこと。いろいろとアバターにつける服や帽子(単価は2〜300円)などほしいため、大人からアバターをもらったりする。アバターをもらえるHPと知れ渡ると、アバター欲しさにどっと集中し、あちこちタカル現象もみられる。略して「アバクレ」。

9.大好きなバスケもやめさせられ、友だちと気軽に遊べる環境でもなく、加害児にとってHPが砦になっていたといえる。

10.しかし被害児の書き込みは、殺人を引き起こすほどの内容ではないという。(現在は、加害児のHPへの被害児の書き込みは消されている。)おそらく3人でしていた交換日記にあるのではないか、ということでした。

11.最後に、先生は加害児に対する家裁の判決を読み上げて終わりました。とても重かったです。加害児は成績は優秀だが他人の気持ちに共感できずコミュニケーションがうまくできない。加害児の心理状態が周囲はわかっていなかった。でも、判決を聞いていて、コミュニケーションの問題って大人も含めて誰にでもあるし、この加害児だけの問題ではなく身につまされました。

今回、長崎の諸々の実態と、アバターを含むネットの世界の話、加害児のHPのコピーを読むことで、つながりました。どれが欠けてもわからない。でもまだわからないことが多いのでしょう。
若い子の自殺率がここ7,8年高まっていること、子どものうつ病が多くなっていることなどもつながっているのでは、と話が出ました。

難波先生は今後も長崎・佐世保市事件を追います。


(2)日本児童文学学会中部例会の基調報告に向けての発表(難波先生)

難波先生が「国語科授業を文学から解放しよう」を発表する。

・学習指導要領の方向にはいい変化がある。
 (例)文学教材において低学年から「人物の気持ち」を考えさせる記述が見られない。
・しかし、事態は悪い方向に向かっている。その原因は、3つある。
  1.教師の信念(文学教材の授業は人物の気持ちを読み取ることだという)  2.評価基準による絶対評価
  3.試験(センター試験をはじめ大学・高校・中学の入試に至る)である。
・国語科授業を文学から解放するための目標を挙げた。
 短期目標:教師の信念へのゆさぶりである。
 中期目標:文学の国語科教材としての無力化である。
 長期目標:国語科の解体・再構築と文学教材の再配置となる。

(3)保育園での読み聞かせの発表(今井さん)

●各地で読み聞かせをしている今井さんは、お母さんたちの実態をよくご存知です。
・わらべ歌を聞かずに、子どもだけにさせようとする傾向があるそうです。
・わらべ歌は一緒にやらないけど、絵本は子どもと一緒に聞いている。絵本は子どもを膝の上に乗せるだけだから。
・子どものケンカを携帯で撮って流布させたりする。
・児童センターの職員に対して「子どもではなく私を何とかしてよ!」と叫ぶ。

●保育園での読み聞かせの実践
・担任の先生によって、子どもの反応も違う。子どもの顔が輝く場合、先生の顔も輝いている。
・古典の絵本の力は大きい。

 来年研究発表に向けて、実践においてどういう視点を持ったらよいか。
 →自分ひとりでやらずに、ビデオ3台使用し、別に記録者も必要だとアドバイスが出る。
  顔がどんなときに輝き、どういう状態になるのかをとらえること。
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# by bamusenokai | 2005-02-05 20:00 | これまでの例会報告

2005年 12月4日の例会報告

12月4日の例会報告です。

(1)カナダトロントの小学校の教育実践の報告(難波先生)
(2)読み聞かせの実践報告(鈴木先生)
(3)国内で読書活動が盛んに言われるようになった背景(今井さん)

(1)難波先生は今年9月にカナダのトロントに行かれました。そのときに見学した、トロントの総合学習と教科の融合を行っている小学校の実践報告をビデオとレジュメで発表されました。
 この小学校は、単元学習を唱えたデューイの理論を元に実践を行っている実験校です。学費は通常の私立に比べ半額です。半分大学から援助を受けているからです。入学は先着順です。
 カナダの公立学校はファーストフードのような詰め込み教育です。カナダの教育水準は世界で高いレベルを持っています。それに対してこの実験校はスロー教育として地元の新聞でも取り上げられています。
 ただし、学力的にも高い学校だそうです。
 教員は全てスカウトされてきています。ほとんどの先生が子どもにゆっくり、はっきり話しています。
 語彙に力を入れています。mならmの語彙を集めていたり、前の週でキャンプに行ってきたら、次の週でキャンプに関係するクロスワード(先生手作り)をさせます。このクロスワードは10年来の歴史の中で蓄積があります。
 授業のスケジュールはその日の朝に決まります。子どもたちは教科書を持って行かなくてよいのです。授業は30分単位。
 授業の風景はいいなと思えることがたくさんありました。 
・子どもたちが自由にしている。
  読書の時間はカーペットの上で寝転んだりしています。でも、みんな靴はいたままです。
・授業中に自由に廊下に出ていい。
  廊下にふらっと一人や二人出ても注意されない。大学生の補助員がフォローをしてまた授業にちゃんと戻ってくる。
・子どもたちの声が大きい。
    
●小学校の授業とは思えない高いレベルの授業でした。
・常に先生が子どもたちに行為の意味を問いかけます。
 「これをするのはなぜか」
 子ども自身に自分が行っていることの意味を問い返させる。
 子ども自らの言葉で発言させる。
 また、先生の投げかけに子どもたちがぽん、ぽんと返してきます。
・一人ひとりの違う意見を発展させ、レベルアップさせる。
 コンピューター上で、意見、賛成、反対などの分類で、子どもに次々に自由に意見をリンクさせる。
・新聞記事をマーカーで引かせ、5W1Hを自分の言葉で発表させる。

 こんなことを小さい頃から訓練してれば、大人になってさぞしっかりした発言ができると思います。

●音楽の授業は笑えた。
 音楽の授業で、全然子どもたちの音程は合っていなくても、先生がギター片手におかまいなしに子どもたちと楽しく歌っている。みんなと揃えることが目的ではなく、体を思いっきり使って音を楽しむ、音を出すための体をつくっていく準備になると思った。

 この学校で育った子どもたちは、自己表現ができるが、逆にもっと協調性や礼儀を持つのが課題であるようです。
 それを考慮しても、もし子どもがいたらこの学校に入れたいと思う程でした。
 
 難波先生の話では、カナダ人は外国人に対してゆっくり話してくれたり待ってくれたりしてフォローをしてくれるとのことでした。また、環境問題やユニセフに関心を持っているとのことでした。実際、子どもたちもユニセフに関心を持っていました。
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(2)鈴木先生が小学校6年生の教育実践を報告されました。
盛りだくさんの実践でした。

●毎朝読み聞かせを行う。
どれも読み応えのある本ばかりです。『ダレン・シャン』『精霊の守り人』『ローワンと魔法の地図』『バッテリー』。
1日20分ないし30分かかり、授業にくいこむこともしばしば。
興味深い内容のため、子どもたちももっと続きが聞きたいとのリクエストが多かった。

●朝日小学生新聞を私費で購入、帰りの会で日直にニュースを紹介させる。記事の中に文字を見つけるよう指定した。

●聞き方を身につけさせるために、顔の表情を変える訓練をさせる。
賛成、反対等の意思表示を相手にわかるように、顔の表情をつくるよう宿題を出した。表情が豊かな子には積極的にみんなの前で褒め、みんなの前でやらせ、みんなで真似るように指示した。

●発言の苦手な子にはおもちゃのメガホンを使って言いやすいように促した。
普段発言しない子の中にはメガホンを使うと(先生の耳元になら)自分の考えが言いやすくなるそうです。

●学級会では司会、オブザーバーに時計をもたせ、子どもたちだけの力で話し合いを進められるようにした。
オブザーバーは話し合いの仕方に意見する立場とした。


☆「読み聞かせ」をする意義を書きたいが、どうしたらよいか。
   ↓
 本が好きになったり、読書の幅を広げる他に、学力的に向上した成果が必要。(例)語彙。漢字の点数アップ。 



(3)今井さんが読み聞かせが盛んに取り上げられるようになった背景をまとめました。

 今井さんは各地で読み聞かせの講座を持っています。読み聞かせボランティアのお母さん方に、読み聞かせをする前に、なぜ読み聞かせが盛んに取り上げられるようになったか、その意味を考えてほしい、と訴えます。国の方針として読み聞かせが進められてきたのは、少子化対策が根底としてあると説明しています。

 2000年 子ども読書年推進会議
 2001年 子ども読書活動の推進に関する法律公布
 2002年 子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画が閣議決定

●読み聞かせの大切さ

・今井さんは赤ちゃんたちに読み聞かせを行っています。その中で、赤ちゃんみんなで絵本を見る−「共有」することの大切さを実感しています。
・読み聞かせする際には、読み聞かせに集中できる環境をつくり、赤ちゃんやお母さんたちのそのときの読む空気に合わせて絵本を選び、絵本を読む順番も考える必要があります。
・『きつね女房』はぱっと見の絵の感じからあまり選ばれない絵本ですが、みんなで見るとあざやかさが浮かぶいい絵本です。
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# by bamusenokai | 2004-12-05 23:08 | これまでの例会報告